成田空港にあったラテン語

 

語学マニアが成田空港内をウロウロ散歩すると「これラテン語?」っていうものに気が付く。普通の人なら99.9%写真を撮らないと思う・・・

 

成田空港でラテン語?というものを2つ見つけたので紹介する。

 

 

 

【一つ目】ラテン語のSIM

(呪文的な難しい言葉で言うと,sumの接続法現在一人称単数)

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国際空港に行くと,「SIM CARD」というものを売っている自動販売機がある。

(なお,私は「SIM CARD」について全然知らない)

 

 

キレイなお姉さんの上に大きな文字で「SIM」って書かれている。

私はこれを見て「ラテン語??」ってなって興味深々と写真を撮影した。

 

周りの人から見たら,キレイなお姉さんを撮影しているオタクと勘違いされているのかなぁ?

確かに自動販売機に映っているお姉さんはキレイだけど。

 

 

 

で,ラテン語の「SIM」は、ごく簡単に言っちゃえば英語で言う仮定法一人称現在の「were」に当たる。(間違っているかもしれないけど,自分の感覚で・・・)

 

高校生の最後の英語授業辺りで「仮定法」っていう文法学ばなかった?

 

例:If I were you, I would ~. (もし,私があなたなら,私は~するだろう。)

 

英語では、仮定法で表すとき,主語が一人称の「I」でも,be動詞は「was」ではなくて「were」で表すって先生に教わらなかった?

 

 

 

私が高校生の時に、英語の先生に以下のような質問をしていた。

「せんせぇ~。なんで仮定法の時,主語が "I" の場合なのに,なぜwasじゃなくってwere使うんですかぁ~?」

 

 

先生の回答は以下。

「英語ではそういう決まりになっているんです。理屈じゃなくってそうなっているんです!!」

 

ってお茶を濁された。

 

 

まぁ,高校生の時の私は「まぁいっか。テストで点が取れりゃいいやー」って思って,「なぜ?」の疑問を解決することを放棄した。というかさっぱり忘れていた。

 

 

 

そして,ずーっとずーっと後で,ラテン語にハマって勉強をどんどん進めた。

すると,「直説法」と「接続法」っていう訳分からん言葉の意味がだんだん分かってきた。

 

 

 

そもそも「直説法」とか「接続法」ってなんよ??

ってなる人がこの記事を読んでいる人の99%だと思う。

 

 

日本で人気のある外国語は英語なんだけど,「直説法」「接続法」なんていう文法用語聞かないよね?多分・・・・

 

 

「直説法」「接続法」というのは,ラテン語に限らず,ヨーロッパ言語では良く使われる文法用語。私の知っている範囲では・・・・

 

 

・ラテン語

・ギリシャ語

・ドイツ語

・イタリア語

 

 

 

他にもあるかも・・・??

なお,ロシア語,スウェーデン語,ノルウェー語,フィンランド語とかは「接続法」という概念は無かったと思う・・・

 

 

ヨーロッパ言語全部に「直説法」「接続法」の概念があるわけじゃないから,そこんところ注意。

 

 

 

 

で,「直説法」「接続法」っていうのは何かを以下に簡単に紹介するよ!!

 

 

「直説法(ちょくせつほう)」=事実を述べる

 

「接続法(せつぞくほう)」=「~だったらいいのになあ・・・」っていう自分の都合のいい考えを伝える

 

 

 

 

で,さっきの「SIM」っていう単語が書かれているキレイなお姉さん付きの自動販売機の話に戻る。

 

ラテン語のSIMは,大学教授が書く本では大抵「sumの接続法現在一人称単数」って難しく書き表す。

 

 

ラテン語を知らない人は頭が真っ白になるかもしれないので,かみ砕いて簡単に説明する。難しい事を簡単な表現にするのって難しいんだよ!!

 

 

 

成田空港にあるキレイなお姉さんの上に書かれているラテン語SIM(=sim)は,

 

sumっていう,英語でいう「am(~デース)」に当たるbe動詞の,

「~だったらなぁ~」っていう自分の都合のよい考えを示す「接続法」の,

時間が「今」であることを示す「現在」の,

simというbe動詞を使う対象が自分自身であることを示す「一人称」の

一人だけであることを示す「単数」

 

 

である。分かる?

これでラテン語のsimというものがわかるかな~?

 

 

英語の話に戻って・・・

If I were you, I would~

 

 

この仮定法「were」に注目してなんちゃってラテンに翻訳してみると以下のようになる

 

Utinam ego sim te, ego~

 

私はラテン語の数多い活用表をおぼえていないから、単なる単語の並びになっているが・・・。英語で言う「you」に相当するラテン語は「te」何だけど,何かに活用するはず・・・

 

 

 

まぁそういう型ぐるしい文法議論は避けて通ることにして,

注目するのは「sim」!!

 

 

 

英語のwereは,ラテン語ではsimで表せると思う。

英語では動詞の活用がラテン語よりも少ないから,「直説法」「接続法」なんていう細かい文法表現を区別するのが難しいよね・・・。ぜいぜい語順とか助動詞とかで・・・

 

 

でも,ラテン語はbe動詞だけでも活用形が60~70個位あるから,「直説法」「接続法」をはっきり区別して表現できる。

 

 

結果として、ラテン語は助動詞(英語で言うcan,willとか)みたいな単語がほとんど不要!!たまに必要なケースもあるが・・・

 

 

なお,ラテン語のsum動詞の活用の例は以下にある。

ラテン語 sum(esse)の活用の一覧 - Wikibooks

 

ラテン語を全く知らないと,「未完了」とか「命令法」って何????ってなるかもしれないが、無視してサイト内で[Ctrl]+[F]コマンドで検索バーを出して,「sim」で検索して探してみよう!!

 

 

 

ラテン語を学ぶと,高校時代の英語の素朴な疑問「仮定法では If I were~で書く奇妙な英語文法」の理由が分かってきた。

 

 

理解が正しいとか間違っているとかは置いといて,ネットとか他の人に聞かず,自分で「こうじゃないのかなぁ~」 って考えることができるようになった。

 

 

こういう「考える」ことができるようになったのは,今までの「勉強」のおかげなんだよねぇ・・・

 

 

 

と成田空港の中を散歩しながら考えていた語学マニアでした。

 

 

なお、空港に書かれている「SIM」はラテン語ではなく, 

英語「Subscriber Identity Module Card」の頭文字をとったもの

SIMカード - Wikipedia

 

ラテン語要素は全くなしだから注意な!!

 

 

 

 

 

 

【二つ目】成田空港にある植物の学名看板

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 上記の看板がなんと成田空港のど真ん中にあった・・・・・

ホントやで・・・・びっくりしたよ・・・・

 

 このの看板は,成田空港第一ターミナルのバスのところからずーっと歩いていくと見つかるはず!!

 

成田空港の周りは人口建造物だらけで,植物要素がほとんどない・・・

なのに,まさか植物の看板があって、ラテン語が読めるとは・・・

 

 

ちなみにラテン語とは,学名のことね。

学名は英語ではなくラテン語で書くルールになっているの。

 

今回の写真なら,ラテン語は以下

 

植物の学名 → Phyllostaohys heterocycla

学者名?  → Mitf. cv. 'Nabeshima'

 

 

私は上記のラテン語は全く分からない。

というか植物の学名がラテン語っぽくない。どちらかというとギリシャ語に近い単語のイメージ。

 

学者名のMitf.の意味はネットでggっても分からない。

c.v.はラテン語「curriculum vitae(クッリクルム ウィータエ)」から頭文字をとった物。「職歴」みたいなもんかな。

 

なお,"vitae"は「人生」を意味する。なんか活用しているが,何の活用か分からない。

属格かな? 

 

 

 

ラテン語の事なら以下の人のほうがもっと詳しいから,疑問があれば以下の人に聞いて。私はネットでもリアルでもROM専だから質問しないがね。

ラテン語たん(@Latina_tan)さん | Twitter

 

 

 

 

以上,成田空港でみつけたラテン語でした。

 

 

【おまけ】

成田空港にあった面白い物

 

①ひまわりの花からクーラーの冷気が出てくる

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 ②日本語で「ようこそ!!」が無い珍しい看板。「Yokoso!」って書いてあるけど

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③成田空港第三ターミナルのコンビニに艦これグッズのポスターがあった。 

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